Spectator vol.53

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部屋に溜まったバックナンバーを見て、断捨離しようと思っていても絶対に出来ない本。
ページを開くたびに新しい発見やきっかけを作ってくれる「スペクテイター」。
これからもこの愛すべき雑誌は手元にあり続けるであろう。

特集:1976 サブカルチャー大爆発

1976年というと、何があった年と思われるだろうか。
76年は、サブカルチャーが誕生した年である。
七〇年代という十年間を振り返ると、それまでとは異なった時代の変化が、さまざまな方面で展開されていたことが思い出される。
新しく起きたこと、新しく誕生した主なものを、順にスケッチしてみる。
ビートルズ解散、三島由紀夫自裁、「仮面ライダー」、連合赤軍事件、ベトナム和平協定、『ノストラダムスの大予言』、 「宇宙戦艦ヤマト」、 『Made in U.S.A. Catalog』、ラモーンズ、 コミック・マーケット、『ロック・マガジン』、『別冊宝島』、『POPEYE』、『地球ロマン』、「未知との遭遇」、イエロー・マジック・オーケストラ、村上春樹……。
76年に時代を限定すれば、海外では、セックス・ピストルズがファースト・アルバムを発表し、 アニタ・ロデッタがボディショップを開店。ジョブズとウォズニアックがアップルコンピュータを創業している。
六〇年代以来続いていたヒッピー/カウンターカルチャー時代が七〇年代なかばで終焉し、それまでのカウンターカルチャーに変わるものとして、「サブカルチャー(と経済グローバル化)の時代」が到来する。
その転期となった年が、パンクとパソコンが世界で同時に立ち上がった「1976年」だった。
このような意味で、76年=若者文化におけるパラダイムシフトの年だったと、大きく解釈することが可能だと思う。
では、76年はなぜ〝サブカルチャーの当たり年〟となったのか。
「1976年=日本におけるサブカルチャーの始原の年」という仮説をもとに、アニメ、オカルト、パンク、ムックという四つのカテゴリーに仔細な点検を試みることで、この国のサブカルチャー誕生の瞬間を明らかにしてみたいと考えた。

−−−− 特集コンテンツ −−−−
◆イラストレイテッド「PLAY BACK 1976」 作画・関根美有
◆できごと年表  1970S
◆論考 アナザー・スピリッツ・オブ・76 〝七六年精神とはなにか〟 文・宇田川岳夫
◆インタビュー①  氷川竜介氏(アニメ・特撮評論)に聞く
『宇宙戦艦ヤマト』とファンダム形成史
◆インタビュー② 武田崇元氏(八幡書店社主)に聞く
『地球ロマン』とジャパニーズ・オカルト再発見
◆寄稿① 『ロック・マガジン』にみるパンクの日本上陸 文・東瀬戸悟
◆寄稿② 自己教育の教科書として創刊された『別冊宝島』 文・長沼行太郎
◆まんが「夜の魂」 作・まどの一哉

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